家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2026/02/20
旗竿地の法規制

相続した土地を旗竿地として分筆する際の注意点を教えてください。

Q
今月のご相談

 私と兄の二人で実家を相続しました。実家の敷地内には親の家と私の家があり、兄は親の家に住んでいて、私は離れに住んでいます。現在、土地を分筆しようと考えていますが、私の土地は道路から奥まっているため旗竿地になっています。兄と相談しながら分筆を進めていますが、旗竿地として分筆するにあたり、注意すべき点を教えてください。

A-1
ワンポイントアドバイス

 旗竿地については、建物建築時に接道義務の制限が付加される可能性が高く、分筆後の「路地上部分の幅」および「路地上部分の奥行」に注意する必要があります。

A-2
詳細解説
1.無道路地とは

 土地の分筆を検討する上で、避けて通れないのが「無道路地」の存在です。無道路地とは、建築基準法に定められた道路に接していない土地のことで、その土地が道路に直接面していないため、建物の建築が原則として認められない土地を指します。

 例えば、敷地の周囲が他人の土地に囲まれており、道路に出るための通路がない場合、その土地は無道路地に該当します。

2.接道義務

 建築基準法では、建物を建てる際に幅員4m以上の道路に2m以上接道することが義務付けられています。これを接道義務と呼びますが、無道路地はこの接道義務を満たしていないため、建築が原則不可能となります。そのため、土地の資産価値が大幅に下がり、その後の売却あるいは次の相続後の活用において非常に不利な状況となります。

 一方で、広い土地を分筆する際に道路に接する間口が十分に広ければ、そのまま等分に分筆することが可能です。

3.旗竿地とは

 土地を分筆する際に道路に接する間口が狭い場合は、道路に接する細長い通路状の部分を確保し、その奥に建物を建てるための宅地部分を設けるという形で分筆を行うことがあります。このような土地形状を「旗竿地」と呼びます。名前の由来は、その形状が旗竿に似ていることからです。

 旗竿地は、無道路地の問題を直接解決する方法ではなく、あくまで大きな土地を分筆する際に、間口が狭い場合の一つの分筆方法です。

4.旗竿地の注意点

 旗竿地には注意点があります。それは、建築基準法や地方自治体の条例によって、路地状部分の幅や長さに関して規制が設けられていることが多く、この規制を満たさない場合には建築確認が下りない、という点です。

 例えば東京都では、東京都建築安全条例第3条(路地状敷地の形態)により、次のように、敷地の路地状部分の長さによって路地状部分の幅が定められています。

敷地の路地状部分の長さ 路地上部分の幅
20m以下のもの 2m以上 3m(※)以上
20mを超えるもの 3m以上 4m(※)以上

(※)耐火建築物および準耐火建築物以外の建築物で、延べ面積200uを超えるものの数値

 このように旗竿地には特有の規制があり、仮にその規制を知らないまま分筆した場合、路地上部分の幅が不足し、建築物の建たない土地になってしまう可能性があります。そうなると、その土地の価値は大幅に下がります。今後建て直すことができないばかりか、将来、相続された方がその土地の処分に困ることになります。

 旗竿地の規制を事前に調べた上で、分筆を進めることをお勧めいたします。

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